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2021年10月、一般社団法人 日本プロモーショナル・マーケティング協会 (JPM)が主催する「第50回日本プロモーショナル・マーケティング協会展2021」の結果が発表されました。
コロナ禍の影響を受けた2021年は、販促においても「非接触」や「オンライン」がキーワードとなりました。
本記事では、下記について紹介します。
- 販促アワード「JPM SHOW 2021」受賞作品を紹介
- 「JPM SHOW 2021」の受賞作からわかるトレンド
- 2022年に流行が予想される最新トレンド
2021年の販促の振り返りとともに、2022年の最新トレンドをまとめましたので、ぜひ最後までご一読ください。
「JPM SHOW 2021」から読み解く2021年の販促トレンド
JPM SHOWとは プロモーションの現在と未来を魅力的にプレゼンテーションする、日本最高峰のプロモーション総合展。 |
まずは、2021年の販促トレンドについて、「JPM SHOW 2021」の受賞作品をメインに紹介します。受賞作品に共通するポイントは、以下の3つです。
- 非接触でできる販促
- 商品を魅力的に見せる演出
- SNSなどオンラインを活用した販促
コロナ禍での開催となったため、非接触やSNSを活用した販促が注目をあびる結果となりました。
また同展示会では、コロナ禍での店頭ツールを評価する「新型コロナウイルス感染防止対策アイデア賞」が新しく設けられたこともポイントです。
とはいえ、「具体的にどんな販促が行われたのだろう」と疑問があるかもしれません。次の見出しで、3つの受賞作品を紹介します。
2021年のトレンドを取り入れた販促事例3選
「非接触」「オンライン」などの2021年のトレンドを取り入れた販促には、以下の3つが存在します。
- リモート接客を実現した「三ツ矢の日リモート接客売場演出キット」
- 商品を魅力的に見せる演出をした「シーバス18年テイスティングカウンター」
- SNSをメインに口コミの拡大を図った「ダース発見力向上キャンペーン」
では順番に解説します。
事例1. リモート接客を実現した「三ツ矢の日リモート接客売場演出キット」
1つ目の事例は、アサヒ飲料が販売する『三ツ矢サイダー』の販促である「三ツ矢の日リモート接客売場演出キット」です。
この販促は、オリジナルアバターとアサヒ飲料社員がリアルタイムでつながり、リモート接客を行えるシステムです。
例年アサヒ飲料では、3月28日の「三ツ矢の日」に、社員が各地の店頭に立って推奨販売を行い、日頃の感謝を伝える活動を実施していました。
しかしコロナ禍により店頭販売が難しくなったため、2021年の「三ツ矢の日」には、遠隔操作による販促を企画します。
来店者が画面の中のアバターに話しかけると、アサヒ飲料のオペレーターがアバターを通じてコミュニケーションを取る仕組みです。
この接客売り場演出キットは「経済産業大臣賞」を受賞し、新しい接客方法として大きな話題を呼びました。
・参考記事:https://www.advertimes.com/20211027/article366757/
事例2. 商品を魅力的に見せる演出をした「シーバス18年テイスティングカウンター」
「シーバス18年テイスティングカウンター」は、Pernod Ricard(ペルノ・リカール社)の販促事例です。
審査員特別賞を受賞した販促ツールは、ウイスキー「シーバス18年」の店頭試飲をする際に使用します。
シーバスリーガル18年は、85種類のアロマをふくむ芳醇なウイスキーです。
スコットランドの選び抜かれた原酒のみを使用し、国際的な酒類コンペティションで数々の栄誉に輝いています。
今回受賞したカウンターは、蒸留器をモチーフとしています。
氷で冷やされたらせん状のパイプをウイスキーが通過することで、瞬時にウイスキーを冷却できる仕組みです。
デザイン性はもちろん、こだわりの商品を魅力的に見せる演出が評価され受賞しました。
・参考記事:https://www.advertimes.com/20211027/article366757/
事例3. SNSをメインに口コミの拡大を図った「ダース発見力向上キャンペーン」
3つ目の事例は、森永製菓株式会社の「ダース発見力向上キャンペーン」です。SNSを活用し、商品の口コミの拡大を狙うため実施されたキャンペーンです。
掲載された複数の画像の中から、ダースのパッケージを見つけてもらうWebサイト「ダース発見力向上サイト」を開設しました。
画面上でダースを探し続けることで、実際にお菓子売り場でもダースを見つけて欲しいとの思いが込められています。
同サイトでは難易度別にコンテンツが用意されており、SNSでは自分が達成できたレベルを報告しあう様子も見られました。
目を閉じるとさらに美味しい森永ダース
— 森永チョコレート (@MorinagaChoco) October 8, 2020
もっと売りたいから日本中の人々の「ダースをお店で見つける目」
を鍛えます#ダース発見力向上サイト 爆誕https://t.co/4oFAenkb8Y
フォロー&引用RTで発見できたステージを投稿すると100名様にアマギフ1000円が
裏サイトもどうぞhttps://t.co/SnXOgbQVQS pic.twitter.com/QN4weO6NoU
このキャンペーンは、デジタル・プロモーション企画部門にて金賞を受賞しています。
・参考記事:https://www.morinaga.co.jp/dars/hakken/
2022年の販促では生活者に寄り添った戦略が重要視される
最新の販促では、生活者に寄り添った戦略が重要視されています。従来は、ブランド戦略を重視した販促が行われるケースもありました。
しかし今後の販促では、ブランド戦略が必ずしも即時的なセールスの増加にはつながらず、需要に応じて戦略を変更する必要があります。
例えばパナソニック株式会社は、2021年2月にオーブントースター「ビストロ」を発売しました。
🎊═══════════#オーブントースター #ビストロ
— Panasonic Japan公式 (@Panasonic_cp) May 14, 2021
NT-D700が#日経トレンディ 2021年6月号
2021年上半期ヒット大賞 家電部門にて
「2021年上半期ヒット大賞」を
受賞しました‼️https://t.co/kzfT7nkUku
═══════════🎊#日経クロストレンド#パナソニックビストロ
Instagram広告をプロモーション戦略の主軸に据え、消費者インサイトを探ります。その結果、商品のコアメッセージの転換に成功し、旧モデルの2倍の売り上げを達成しました。
また、次世代の家電やガジェットなどを展示するb8ta(ベータ)では、店内に設置されているAIカメラで客の動向を追跡し、顧客データを企業に提供します。
b8ta有楽町店にリカバリースポットが登場!
— b8ta Japan (@b8tajp) December 13, 2021
12/27までオムロン 低周波治療器 HV-F080シリーズ HV-F080のPopupを実施中。
スポーツの分野でコンディショニングケアにも使われている「マイクロカレント」機能を搭載した低周波治療器をご体験頂けます。皇居ランの後に是非いかがですか?#オムロン #b8ta pic.twitter.com/Vhnccew5dm
それだけでなく、商品の不満などの来店者の生の声を集めることで、「売れる商品」を生み出す戦略を実施しました。
以上から、生活者に寄り添った販促戦略は、結果としてファンや売上の増加につながるといえます。
・参考記事:https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00562/00002/
・参考記事:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000053185.html
2022年の販促トレンドに加わると予測される2つのエッセンス
2022年には、以下の2つのエッセンスが加わると予想されます。
- 販促のアイデア・方向性を顧客の声から考える
- メタバースなど仮想世界のコミュニティ活用
以下、1つずつ解説します。
その1. 販促のアイデア・方向性を顧客の声から考える
生活者に寄り添う販促戦略の重要性が増す2022年は、販促のアイデア・方向性を顧客の声から考える必要があります。
従来の販促では、市場調査の後に企画が行われる流れが一般的でした。しかし、スピーディーに販促を展開するには時間がかかりすぎるデメリットがあります。
そこで、時間をかけずに生活者に刺さる販促を行うためには、SNSの活用が効果的です。SNSには、顧客の生の声が膨大に集まっているからです。
ビジネスパーソンのための情報発信メディア「VISUAL SHIFT」によると、シニア・デジタル・ストラテジストのジャクリーン・バクスター氏は下記のように発言しています。
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では、具体的にどのようにすれば、顧客の共感を得て、これからのビジネスに活かしていけるのだろうか。
バクスター氏は、その答えが、ターゲットとするコミュニティの声に耳を傾け、その課題や要望を徹底して理解するための投資にあるという。
引用元:VISUAL SHIFT
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バクスター氏は、コロナウイルスの影響を受け分断された社会で顧客が最も求めているものは「共感」だと語っています。
顧客に共感してくれるブランドに対して、顧客自らも共感を覚え、エンゲージメントが深まっていくというのです。
実際に、前述したパナソニック株式会社のオーブントースター「ビストロ」は、Instagramで発信したメッセージに共感した人々の共感されヒットしました。
時代が目まぐるしく変化する現代で結果を出すためには、顧客の声を取り入れつつ販促を行うことが重要といえます。
その2. メタバースなど仮想世界のコミュニティ活用
メタバースなどの仮想世界のコミュニティ活用も、今後広がっていくと予想されます。
コロナ禍ではオンラインでの交流やキャンペーン・イベントが増加し、仮想通貨の活用が進みつつあります。
例えば2021年10月には、SNS大手の米Facebookが社名を「Meta(メタ)」に変更しました。
また12月7日には、日本メタバース協会(Japan Metaverse Association、JMA)が設立されています。
同協会は、メタバースの技術や関連サービスの普及のほか、健全なビジネス環境の整備を進める目的で設立されました。
さらに2020年には、すでにゲームファン向けのコミュニティ通貨である「オタクコイン」が活用されています。
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オンライン化が進むなかで、オフラインとオンラインをつなげたコミュニティは増加しつつあります。
以上から、仮想世界のコミュニティ活用は注目を浴びつつあると考えられます。
・参考記事:https://japanmeta.org/
最新の販促は顧客ファーストで戦略を立てることがポイント
この記事では、2021年の販促の傾向と、2022年に注目が予想されるエッセンスについて紹介しました。
販促にはさまざまな手法が存在しますが、ただ行うのではなく顧客に寄り添った戦略が重要です。
2021年はコロナ禍のため「非接触」や「オンライン」などがキーワードとなりました。2022年は「生活者への寄り添い」「仮想世界」などが注目を集めると予想されます。
顧客に共感してもらうためにも、生活者が本人でさえ気がついていない欲望や願望を把握し、販促へ取り入れてみてください。
また、TwitterなどのSNS運用時にどういった内容の投稿をすればいいの?どういった数字をチェックすればいいの?どういったキャンペーンを打てばいいの?という質問をよくいただきます。
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