- 展示会ノウハウ
【事例紹介】「高級感」と「短納期・低コスト」を両立した、展示会ブース制作の舞台裏を公開します!
公開日 2025.12.11 /更新日 2025.12.17

今回はデザインの忠実な再現とコストと納期、という相反する課題をクリアしクライアント様より高い評価をいただきました。

依頼背景
クライアントは、国際的なカンファレンスにおけるTATAグループのブース制作にあたり、具現化したい具体的なデザインパースをすでにお持ちでした。このデザインを忠実に、かつ効率的に現実の空間として実現できるパートナーを探していました。
課題・目的
- デザインの忠実な再現
提供されたデザイン・パースをそのまま現実のブースとして高品質に具現化すること。 - 差別化の実現
細部までこだわった美しい空間を創り上げ、競合他社のブースとの差別化を図ること。 - (潜在的な課題)コストと納期の最適化
オリジナル造作が必要な状況で、短納期・低コストでプロジェクトを完了させること。
ブースの高級感を保ちながら、この短納期・低コストという相反する課題を解決するために、従来のブース制作のセオリーに囚われない、工夫を凝らした制作アプローチが求められました。
課題解決にむけての思考プロセス
前述の課題解決に向け、従来の制作手法に囚われず、品質を落とさずにコストと工期を圧縮するために、以下のステップで実行内容を定めていきました。

STEP1・抽象的なイメージ「高級感」を具体化する
まずは、今回のキーワード「国際的なカンファレンスにふさわしい美しい空間」=「高級感」についてこの抽象的なイメージを「調、質感、照明効果、ディテール」といった具体的な要素に分解し、どの要素にコストを集中させるべきかを見極めていきました。
STEP2・目標コスト・納期との逆算
提示された納期と予算を厳守するため、各工程に許容される最大の工期とコストを逆算で算出。ステップ1で見定めた「色調、質感、照明効果、ディテール」に対し、最大値でどこまで追求できるか、超過してしまう要素が何かをこのステップで明らかにしていきました。
STEP3・素材・アイテムを選定する
高級感を出すためにオリジナル造作が必須とされる部分とレンタルでもいい部分を洗い出し、それに近い高品質な既製品やレンタル品で代替できないか検討を重ねました。またオリジナル造作が必須な部分については、一般的な素材に縛られず、クオリティを担保でき加工性も高い素材を幅広く検討しご提案いたしました。

短納期・低コストでも「高級感」を可能にした3つの手法
以上の思考プロセスを経て、以下のように今回のオーダーに対して製作をいたしました。

手法①高級感と低コストを両立させる素材選定
今回の案件では、デザインの忠実な再現とコスト抑制を両立させるため、従来のセオリーである木製素材から「スチレン」へと素材を切り替える決断をしました。
一般的に、木工で製作する什器は重厚感があり、高級感の演出には非常に適しています。しかしその反面、素材自体が高コストであることに加え、重量があるため加工や運搬、現場での施工にも多大な時間と費用を要するという課題がありました。
一方で、今回採用した「スチレン」は非常に軽量な素材です。単体では木工のような重厚感に欠ける側面もありますが、その軽さを活かすことで、運搬や加工のプロセスを大幅に効率化し、コストと工期を最小限に抑えることが可能になります。
さらに、スチレンは表面に高品質な印刷紙を精密に貼り合わせることができるため、デザインと仕上げの工夫次第で、視覚的な高級感を十分に持たせることができます。このように素材の特性を活かし、表面のビジュアル表現を徹底して作り込むことで、クオリティを維持しながら、短納期・低コストでのプロジェクト完了を実現しました。
手法②リソースの選択と集中―オリジナル造作とレンタル品との最適化
コスト抑制と工期短縮を最大化するため、什器構成の見直しも行いました。すべての什器を新規制作するのではなく、オリジナルの製作範囲を「PC操作・パンフレット台」「サイネージ内包什器」「ミニパネル貼りつけ什器」の主要な3種に限定し、その他の要素については高品質なレンタル品を積極的に活用しました。
この「選択と集中」による代替アプローチによって、ブース全体の高級感・統一感を損なうことなく、製作コストの大幅な削減に成功しました。また、既製品を活用することで工場での製作工程を最小限に抑えられ、プロジェクト全体のリードタイムを劇的に短縮することが可能となりました。
手法③視覚的ノイズの徹底排除―ディテールで追及する高級感
高級感の追求の為、「ノイズレスなブース」というコンセプトを掲げ、見過ごされがちだけどノイズとなりやすい「配線コード」が極力視界に入らないよう徹底した工夫を凝らしました。こうした細部へのこだわりを積み重ねることで、限られた予算の範囲内で得られる最大級の高級感を追求しています。
特にサイネージ什器においては、一般的なスタンドに見られるような機器本体の露出やケーブル類の露出を排除するため、それらを内部に完全に格納する特殊な設計を施しました。
このような小さい工夫の積み重ねにより、スチレンという比較的低コストな素材を用いながらも、通常の什器とは一線を画す、洗練された高級感のあるブース空間を構築することが可能になりました。
まとめ
本プロジェクトにおいて私たちは、単なるコストダウンや工期短縮ではなく、「いかにしてデザインの本質的な価値を損なわずに最適化するか」という課題に向き合いました。
「素材の性質を見極めた代替案の提示」「戦略的なリソースの集中配分」「ノイズを排除する緻密な設計」という3つのアプローチを組み合わせることで、従来の木工造作というセオリーに縛られない、新しいブース制作のあり方を具現化しました。
その結果、世界的な企業であるTATA・グループ様にふさわしい品格を保ちつつ、極めて高いコストパフォーマンスとスピード感をもってプロジェクトを完遂することができました。
私たちは、お客様のブランド価値を最大化するパートナーとして、細部までこだわり抜いた空間づくりをサポートいたします。まずはお気軽にお見積りや図面のご相談をお寄せください。
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