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商品やサービスを認知させキャンペーンなどの施策などにより、顧客の購買意欲を引き出す「セールスプロモーション」。
この記事では、
「セールスプロモーションにはどのような種類がある?」「セールスプロモーションを成功させるためのポイントは?」
といった疑問にお答えするために、セールスプロモーションの種類や手法についてまとめました。
あわせて、セールスプロモーションによって期待できる効果や、成功事例などもご紹介します。
自社に合うセールスプロモーションの種類を知って成功に導きたいのであれば、ぜひ参考にしてください。
セールスプロモーションの4つの種類
セールスプロモーションには、主に下記の4つの種類があります。
No. | 種類 | 概要 |
---|---|---|
1 | 試用手法 | お試しで商品・サービスを利用してもらい、購買のハードルを下げる方法 |
2 | プレミアム手法 | 景品・特典などを用意して、来店客の購買意欲を高める手法 |
3 | プライス手法 | 限定的に価格の割引を実施し、顧客の購買意欲を高める手法 |
4 | 制度手法 | スタンプ・クーポンなどの特典を用意して、顧客獲得・リピーターの増加を狙う手法 |
ひとつずつ、詳しく見ていきましょう。
1. 試用手法
試用手法は、商品サンプルや試食などです。商品を試してもらうことにより、購買のハードルを下げられます。
試用手法に最適な商品・サービスには下記の例があります。
- 価格が比較的高額なもの
- それ自体があまり知られていないもの
- 取り扱いや効果を実感しにくいと思われがちなもの
対象となる商品は、無料またはワンコインなど試しやすい価格設定になっていることが特徴です。例として、以下のような商品・サービスに最適な手法であると言えるでしょう。
2. プレミアム手法
サービスや商品購入時に、景品や特典を付与するセールスプロモーションがプレミアム手法です。例として、以下のようなものが挙げられます。
- ドリンク○本以上購入で保冷ケースプレゼント
- お菓子○個以上購入で△△とのコラボクリアファイルプレゼント
- サービス入会で○○パークのチケットをプレゼント
商品の価値を高め、顧客の購買意欲を刺激する手法です。
3. プライス手法
プライス手法は、サービスや商品購入時に値引きを行うセールスプロモーションです。以下のような値引き方法が考えられます。以下のような値引き方法が考えられます。
- 「○月×日までの購入で○○円!」「○時までの限定価格」
- 期間を限定して、元々の値段やメーカー希望小売価格から割引する
- 「○○とセットで購入すると20%割引」
- セット購入での割引価格を設定して顧客単価を増加させる
限定的に値引きを行うことで、消費者からの注目を集め購買意欲を刺激します。
4. 制度手法
制度手法は、ポイントカード、クーポンなどを付与して次回の来店につなげるためのセールスプロモーションです。例として、以下のような方法が挙げられます。
- 一定数貯めると割引になる来店ポイントの付与
- 次回来店で使える10%オフクーポンの付与
- 「次回来店で商品サンプルプレゼント」といった来店特典の付与
店舗のリピーターを増やし、利益アップを図ります。
セールスプロモーションの手法一覧
上記のほかにも、セールスプロモーションには以下のような手法があります。
No. | 種類 | 詳細 |
---|---|---|
1 | イベントプロモーション | 展示会などのイベントを利用するプロモーション |
2 | キャンペーンプロモーション | 期間限定の商品や特典で消費者の購買意欲を刺激するプロモーション |
3 | インストアプロモーション (店頭プロモーション) | 小売店で行うプロモーション |
4 | ダイレクトマーケティング | 消費者に直接アプローチするプロモーション |
5 | デジタルプロモーション | オンラインのイベントやデジタルツールを使ったプロモーション |
イベントやキャンペーンなど、来店を促す催しを開催することは認知度の上昇にもつながるでしょう。
近年では、オンラインツールなどを活用したデジタルプロモーションを活発に行っている企業も多く見られます。
店頭プロモーション・イベントプロモーションについては、以下の記事で詳しく解説しています。
セールスプロモーションでは、目的に合わせて各手法を掛け合わせることで効果アップが期待できます。
自社に合ったセールスプロモーション探しのヒントとなりますので、ぜひご一読ください。
>>店頭プロモーションとは?基本知識から生活者を惹きつける4つのコツまで網羅
>>自社ブランドの魅力を伝える!セールスプロモーションイベント総まとめ
セールスプロモーションとは
ここで、「そもそもセールスプロモーションとは?」という疑問について順に解説していきます。
プロモーションとは
「プロモーション」は、サービスや商品を売る側から買う側に向けてのコミュニケーション方法を指します。
プロモーションが指す行動や手法は非常に幅広いです。以下に一例を示します。
No. | 種類 | 概要 |
---|---|---|
1 | 広告宣伝 | 商品・サービスの周知・販売を目的とし、テレビや インターネットなどに広告を掲載する手法 |
2 | 広報(PR) | 商品・サービスなど、取り扱っている業務に関する 情報を発信する手法自社Webサイトから発信を行う ことが多い |
3 | セールスプロモーション (販売促進) | ターゲットの購買意欲を引き出す活動・手法全般 |
4 | 人的販売 | 小売店などで、販売員が来店客に商品の説明を行い 購買意欲を促進する手法 |
5 | Web・SNSなどの活用 | 特設サイトや公式SNSアカウントなどを開設・運用 し、商品の認知拡大を図る手法 |
セールスプロモーションとは
上記からわかる通り、セールスプロモーションは「プロモーション」に内包されている「ひとつの方法」です。
商品やサービスを認知させ、キャンペーンなどの施策を実施して消費者の購買意欲を引き出す目的として行われます。
セールスプロモーションの概要と活用例に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
長期的な売り上げにつなげられる手法をイメージできますので、ぜひ参考にしてみてください。
>>【初心者向け】セールスプロモーション(SP)の種類&活用例を完全ガイド
広告・PR・セールスプロモーションの違い
広告・PR・セールスプロモーションの目的の違い ・広告:媒体を使用して自社商品やサービスの魅力を知ってもらう ・PR:公衆との良好な関係を構築する ・セールスプロモーション:顧客の購買意欲を向上させる |
広告・PR・セールスプロモーションには、以上のような目的の違いがあります。
似ているように思えるかもしれませんが違いはあるため、理解を深めて適切なプロモーションを行っていきましょう。
以下の記事でもセールスプロモーションとそれ以外のプロモーションに関して詳しく解説しています。
成果につなげるためのポイントもご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
>>セールスプロモーションとは?マーケティングとの違い&成功させる5つのポイントも解説
セールスプロモーションを行うことで期待できる6つの効果
ここからは、セールスプロモーションを行うことで得られる6つの効果についてご説明します。
- 新規顧客の獲得
- 競合他社との差別化
- 顧客満足度の向上
- 客単価のアップ
- 顧客情報の収集
- リピーターの増加
ひとつずつ確認していきましょう。
1.新規顧客の獲得
セールスプロモーションを行うことで、新規顧客の獲得が期待できます。今まで商品・サービスを知らなかった人たちに、認知してもらえる可能性があるからです。
商品・サービスを知らなかった人に認知してもらえれば「こんなサービスが欲しかった!」と興味を持ってもらえるかもしれません。
興味を持ってもらえれば、購入につながる期待もできます。
よってセールスプロモーションでは、今まで商品・サービスを知らなかった人たちに顧客になってもらえる期待できます。
2.競合他社との差別化
独自のセールスプロモーションを行うことで、競合他社との差別化を図ることができます。
セールスプロモーションでは、自社ならではの魅力を消費者に伝えられるからです。
例えば商品選びで迷ったとき、購入の決め手となる情報がほしいと思いませんか?
そこでセールスプロモーションを行っていれば、「この商品は、他の商品と〇〇が違うんだっけ」と、購入のきっかけになるかもしれません。
このように競合他社の商品・サービスと特徴やベネフィット(顧客が得られる利益)が同じだった場合、売り込み方次第で売上が変化すると考えられます。
3.顧客満足度の向上
セールスプロモーションは、顧客満足度をアップさせる期待ができます。例えば手法によって、
- 商品サンプルや特典のプレゼント
- クーポンの配布
などのように、顧客の求めるサービスを提供できるからです。一方で顧客に満足してもらうために行える施策は、クーポンや割引きだけではありません。
サービス専用のWebコンテンツやイベントの開催により、商品・サービスの魅力をより消費者へ身近に感じてもらうこともできます。
以上から、セールスプロモーションは顧客満足度の向上に有効です。
4.客単価のアップ
プレミアム手法やプライス手法は特に、単純な客単価のアップにつながるセールスプロモーションであると考えられます。
特典にかかる経費や割引を行うことなどを考えた時、利益が減少するように思えるかもしれません。
しかし、特典付与や割引を行うことで商品やサービス自体の売上がアップすれば、結果的に客単価のアップにもつながります。
このようにセールスプロモーションを行う際は、最終的な利益を考えることも大切です。
5.顧客情報の収集
セールスプロモーションを行うことで、売上の変動や顧客の反応といった情報を得ることが期待できます。
「セールスプロモーションを行った際に顧客の行動や反応はどのように変化するか」という情報は、今後のマーケティングに活かせるでしょう。
また、ポイントカードの作成、プレゼントの送付などを行う場合は個人の属性を詳細に把握することも可能です。
詳細な属性が理解できれば、どんな人がどんなサービスを求めているのかより深い理解につながります。
結果的に、顧客の満足度アップへと役立てられるでしょう。
6.リピーターの増加
リピーターを増やせる期待ができるのも、セールスプロモーションによる効果のひとつです。
「あの店はよくキャンペーンをやっているから、また行ってみよう」と足を運んでくれる顧客はいます。
特に、ポイントカードや次回利用可能なクーポンの配布といった制度手法を取り入れた場合は、リピーターの増加が期待できるでしょう。
セールスプロモーションの成功事例:自社マガジンとフロアディスプレイの導入で売上アップ
ここで、セールスプロモーションの事例を紹介します。東京都に本社を置く調剤薬局である「株式会社アイセイ薬局」。
他社との差別化のため、健康に関わる情報の発信や、関連した商品を取り扱う自社マガジンの発行を考案・実施しました。
さらに、マガジンの表紙・内容と連動した紙製のフロアディスプレイを売り場に導入。その結果、物販で結果が現れはじめたのです。
このように、患者様が必要としている情報ニーズに応えることで、他社との差別化ができるようになりました。詳細は下記の記事で紹介していますので、ご一読ください。
>>消費者に選ばれる「かかりつけ薬局」を目指すアイセイ薬局様の取組みを、年間通じてサポート。選ばれる薬局になるための施策提案とは。
また、以下の記事では上記のような事例に加え、各業界の成功事例も紹介しています。「販促」についての基本もおわかりいただけるので、ぜひ参考にしてみてください。
>>販促(販売促進)とは?意味から事例まで知っておくべき基礎知識を解説
セールスプロモーションを成功させる5つのポイント
ここからは、セールスプロモーションを成功させる5つのポイントについて解説します。
- 目的・ターゲットを明確にする
- ターゲットのニーズ・ウォンツを明らかにする
- ターゲットの行動を把握する
- 効果測定を行う
- 仮説・検証を繰り返す
ひとつずつ確認していきましょう。
1. 目的・ターゲットを明確にする
セールスプロモーションでは、
- セールスプロモーションを行う目的
- 行うセールスプロモーションのターゲット
この2点を明確にしておくことは非常に大切なポイントです。
この2点を明確にしないままセールスプロモーションを行ってしまうと、適切な手法からズレた施策を選んでしまい効果を得られない恐れがあります。
また、目的・ターゲットが曖昧なままでは施策の修正・改善も難しくなってしまいます。
「売上○%UP」「あまり商品を手に取ってもらえていない○歳~○歳くらいの男性向け」など、目的やターゲットは明確かつ具体的に決めてみてください。
それによって、セールスプロモーションを成功に近づけられるでしょう。
2. ターゲットのニーズ・ウォンツを明らかにする
消費者の持つ意識「ニーズとウォンツ」の違い ・ニーズ:「自分が欲しいわけではないけれど必要」という意識 ・ウォンツ:「どうしても必要なわけではないけれど欲しい」という意識 |
ターゲットを明確にした後は、ターゲットのニーズ・ウォンツを明らかにすることが大切です。ニーズ・ウォンツとは、それぞれ消費者が持っている意識のことを指します。
- 消費者が持っている意識はニーズなのか?ウォンツなのか?
- 具体的にどのようなニーズ(ウォンツ)を持っているのか?
といったことを明らかにすれば、よりターゲットや適切な施策が具体的になります。それによって、結果的にセールスプロモーションの成功に近づくはずです。
ニーズとウォンツの違いに加え、ニーズ調査の方法に関しては以下の記事で解説しています。
具体的な手法から収益アップへつなげるポイントまでまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。
>>ニーズ調査とは?目的から収益につなげる4つのポイントなど全知識を紹介!
3. ターゲットの行動を把握する
ターゲットは普段どのような行動を取っているのか把握することも、セールスプロモーションを成功に近づける上で大切なポイントです。
ターゲットの行動に合わせて行うセールスプロモーションを組み立てることで、得られる効果も大きくなります。
しかし、実際にターゲットに近い人物の行動を追いかけることは容易ではありません。
そのため、ペルソナを作成しセールスプロモーションを組み立てることも効果的です。
ペルソナとは 架空のユーザー像のこと。性別・年齢・性格・生活スタイルなどを詳細に設定して作成する。 |
4. 効果測定を行う
セールスプロモーションを行う際は、効果測定を行いましょう。
セールスプロモーションを行った時と行っていない時で、売上や来店者数がどのように変化したか確認します。
そうすることで、
- セールスプロモーションがどのような効果をもたらしたか
- 目的を果たすことができたか
- 次回に向けてどのように改善していけばよいか
といったことが考えられるようになるでしょう。セールスプロモーションを行う前に、効果測定が行える環境を整えておくということも大切です。
5. 仮説・検証を繰り返す
仮説・検証を繰り返すのは、セールスプロモーションだけでなくマーケティング活動全般において大切なことです。
消費者の行動や社会環境の変化など、未来を完全に予測することは不可能です。
そのため、「このような効果を得られるのではないか」といった仮説を立てて、実際にセールスプロモーションを行うことが大切です。
結果に合わせて、さらに仮説・検証を行っていくとよいでしょう。仮説とその検証を繰り返していくことで、少しずつ成功に近づけられます。
ターゲットに合うセールスプロモーションの種類を選んで業績アップへ活用しよう
<本記事のまとめ> ・セールスプロモーションには複数の種類・手法があり、ターゲットに合わせて実施することが大切 ・広告・PR・セールスプロモーションはそれぞれ目的が異なる ・セールスプロモーションを行うことで、新規顧客やリピーターの獲得、顧客満足度の向上、客単価の向上などさまざまな効果が期待できる |
ここまでお伝えしてきた通り、セールスプロモーションには複数の種類が存在します。
ターゲットを明確にし、目的にマッチする種類を実行することで、業績アップへの近道となるでしょう。
なおターゲットや、ターゲットの持つニーズ・ウォンツの明確化には、SNS解析ツール「AIGENIC」の導入がおすすめです。
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