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「無人店舗で使われているキャッシュレス決済にはどんなものがあるのかな」
「無人店舗の支払いはどのように行うのだろう?」
こんな疑問を感じていませんか。
無人店舗では、ほとんどの場合キャッシュレス決済が導入されており、来店客はクレジットカードや電子マネーなどで支払いを行います。
そこでこの記事では、
- キャッシュレス決済の導入が推進されている理由
- 無人店舗で導入されているキャッシュレス決済の種類
- 無人店舗でのキャッシュレス決済の導入例
といったことについて詳しく解説します。
消費者のニーズを取り入れた無人店舗づくりを考えているのであれば、ぜひ最後までご一読ください。
無人店舗・有人店舗で世界水準を目指し推進されているキャッシュレス決済
日本では有人店舗・無人店舗に関わらず、キャッシュレス決済の導入が推進傾向にあります。
経済産業省は、日本のキャッシュレス決済比率を大阪・関西万博が実施される2025年までに4割程度に到達させ、将来的には世界最高水準である80%を目指しています(※)。
(※参考資料:「キャッシュレスの現状及び意義」商務・サービスグループキャッシュレス推進室2020年1月│経済産業省)
では、現在の日本のキャッシュレス比率はどの程度なのでしょうか。
以下のグラフは、⼀般社団法⼈キャッシュレス推進協議会が発表した資料で、2018年における世界主要国のキャッシュレス決済の状況をまとめたものです。
上記によると、11カ国のうち日本の比率は24.2%と下から2番目に低く、他の国と比べてかなり低い水準にあることがわかります。
日本にキャッシュレス決済の導入が浸透しづらい理由は、他国と比較して現金への信頼が厚いためと言われています。
しかし、日本でまったくキャッシュレス払いが進んでいない訳ではありません。
経済産業省の下記資料によれば、日本のキャッシュレス支払い額と比率の推移は右肩上がりで、10年前と比較すると倍以上になっています。
よって他国と比較すると少ないとは言え、徐々に導入は進んでいると言えるでしょう。国がキャッシュレス決済を推奨している理由は、
- インバウンド消費の拡大
- 店舗における人手不足の解消
- 現金決済時のコスト削減
などで、近年は感染防止対策としても注目を集めています。キャッシュレス決済は、有人・無人店舗を問わずこれからも導入が推進されていくでしょう。
無人店舗で使われているキャッシュレス決済の種類
No. | 種類 | 概要 |
---|---|---|
1 | クレジットカード | 有人・無人問わず多くの店舗で利用できる支払い方法 |
2 | 電子マネー | あらかじめチャージが必要な「プリペイド型」や、後払いの「ポストペイ型」などが主な支払い方法 |
3 | QR決済・バーコード決済 | スマホにダウンロードした専用アプリを利用して支払う。「スマホ決済」とも言われる |
4 | 顔認証(生体認証)決済 | カメラに写った顔情報をデータベースと照合し、事前登録したクレジットカードで決済する方法 |
上記の表は、無人店舗で使用されているキャッシュレス決済の種類と特徴をまとめたものです。では、それぞれ紹介していきます。
1. クレジットカード
項目 | 詳細 |
---|---|
特徴 | ・有人・無人問わず利用率が高い ・ポイントが貯められることもあり、ニーズが高い ・海外でも使用できる |
例 | Visa、Mastercard、JCBなど |
クレジットカードはキャッシュレスの中でも比較的ポピュラーなもので、使用頻度が高い支払い方法です。
利用限度額内であれば簡単に支払いを済ませられるほか、ポイントが貯められることもあり、幅広い世代の人が利用しています。
またスーパーマーケットなどが発行する流通系のカードは、所持しているだけで割引などの特典を受けられることも多いです。
そのため、複数枚のクレジットカードを所持する人も増えています。
2. 電子マネー
項目 | 詳細 |
---|---|
特徴 | ・前払いと後払いの2つのタイプがある ・独自のポイント制度があるものも多い |
例 | Suica、nanaco、QUICPay、楽天Edy |
電子マネーも、クレジットカードと同様に比較的利用者が多い支払い方法の1つです。
Suicaなどの交通系ICカードは特に利用者が多く、普段キャッシュレス決済の利用頻度が少ない人にも親しまれています。
電子マネーには複数の種類が存在します。
たとえば、Suicaのように事前にチャージして使用するものや、クレジットカードとの連携が可能なものなど、幅広いタイプから自分に合ったものを選択可能。
中には、クレジットカードのようにポイントを貯められるサービスもあるため、日々の支払いをよりお得に済ませたい人からも人気を集めています。
3. QR決済・バーコード決済
項目 | 詳細 |
---|---|
特徴 | ・スマートフォンだけで支払いを済ませられる ・作業が簡単なのでレジの業務負担の減少に役立つ |
例 | PayPay、LINE Pay、楽天Payなど |
QR決済・バーコード決済は、スマートフォンを持っているだけで支払いを済ませられることが特徴です。
カードを持ち歩く必要はなく、無人店舗では店舗のQRコードを読み込み料金を打ち込むだけで、簡単に支払いが完了します。
店舗側・来店客側共に支払いに関する手間を軽減できるとして、近年利用する人が増加している支払い方法でもあります。
4. 顔認証(生体認証)決済
項目 | 詳細 |
---|---|
特徴 | ・カードやスマートフォンを持ち歩く必要がない ・不正利用の防止に役立つ |
例 | NeoFace(NEC)、ヤマダPay(ヤマダ電機)など |
顔認証決済(生体認証)は、その名の通り目や口などの特定の部位の位置や大きさをもとに照合を行うシステムのことです。
利用者はまずスマートフォンで、決済サービスにて顔認証を済ませておきます。
精算時はレジの隣に設置されたカメラに顔をかざし、認証されれば、事前に登録しておいたクレジットカードで自動的に決済が行われる仕組みです。
顔認証による支払いは中国を中心に導入されており、日本ではまだ本格的には普及していないものの、実証実験が行われ徐々に導入が進められています。
無人店舗でキャッシュレス決済を導入した事例3選
次に、無人店舗でキャッシュレス決済を導入した以下3つの事例を紹介します。
- 株式会社TOUCH TO GO:「TOUCH TO GO」高輪ゲートウェイ
- 株式会社ロボットセキュリティポリス:ROBOT MART
- 株式会社MonotaRO:モノタロウAIストア powered by OPTiM
では、ひとつずつ見ていきましょう。
1. 株式会社TOUCH TO GO:「TOUCH TO GO」高輪ゲートウェイ
「TOUCH TO GO」は、高輪ゲートウェイ駅構内に位置する無人コンビニです。無人決済店舗の開発を進める「株式会社TOUCH TO GO」が2020年3月に出店しました。
約60㎡の店内には飲料やお弁当などの600種類ほどの商品が所狭しと並び、レジスタッフやレジは存在しません。
来店客は商品を手に取ったまま出口まで進み、出口横にあるタッチパネルに表示された内容を確認。
支払いを済ませるだけで、買い物が完了します。
また来店客が手にした商品はすべて天井に設置されたカメラで確認されているため、決済前の商品を自身のカバンに入れても問題ありません。
開店当時に使用できる支払い方法は交通系ICカードのみでしたが、徐々にクレジットカードや各種電子マネーへ対応していく予定です。
・参考記事:高輪ゲートウェイ駅 無人AI決済店舗「TOUCH TO GO」がサービス開始 商品は手に取るだけ!“ウォークスルーの次世代お買い物体験”
2. 株式会社ロボットセキュリティポリス:ROBOT MART
「ROBOT MART」は、ロボット事業に注力している株式会社ロボットセキュリティポリスが運営する路面店舗の無人コンビニです。
店内にはロボットが設置され、接客や内蔵カメラでの店内監視を行っています。
支払い方法はキャッシュレス決済のみで、各種クレジットカードのほか、電子マネーやQRコード決済を利用可能。
「ロボットと人が協力しての店舗運営」に力を入れており、ただ飲料やお菓子を販売するだけでなく、店内では多種多様なロボットの展示も行っています。
・参考記事:【現金を使わないロボットコンビニ】ロボットマートは大盛況の博多マルイ出店に続き、東京・八丁堀で10/15にリニューアルオープンいたします
3. 株式会社MonotaRO:モノタロウAIストア powered by OPTiM
事業者向け工場用の間接資材を販売する株式会社MonotaRO。その企業が運営する「モノタロウAIストア」は、佐賀大学本庄キャンパス内に位置する無人店舗です。
モノタロウは工具などを販売する事業者向け通販サイトで、同店内では工具だけでなく、電子部品や文房具など約2,000点の商品を販売しています。
入店から精算までの流れは以下の通りで、
- スマートフォンに「モノタロウ店舗アプリ」をインストールし、会員登録を済ませてておく
- アプリ内のQRコードをゲートにかざし入店
- 購入する商品のバーコードをアプリで読み取る
- 購入商品をすべて登録したらアプリ内で精算する
- もう一度QRコードを表示させ、ゲートにかざして退店する
買い物をするためにはスマートフォンが欠かせません。
また支払い方法はクレジットカードのみで、実際に商品を手に取れる以外は、インターネット上の通販サイトと大きな違いはありません。
急いでいるときもレジ待ちの必要がなく、自分のペースで買い物を楽しめます。
・参考記事:「モノタロウ AI ストア powered by OPTiM」オープン
キャッシュレス決済を導入する無人店舗の仕組みとは
無人店舗はレジスタッフが不在のため、来店客が自身で商品の袋詰めや精算を行うことが特徴です。
ここでは、無人店舗の仕組みと利用の流れを紹介します。
無人店舗の仕組み
無人店舗は完全セルフサービスの店舗で、来店客は商品を選んだ後、自身で袋詰めや精算を行います。
「人がいない」と聞くと、万引きなどの犯罪の発生リスクを想像するかもしれません。しかし無人店舗では、店内の天井に複数のカメラを設置。
そのほかにも、入店時に会員登録が必要なアプリ内のQRコードの提示などを求めることで、トラブルの発生を防止しています。
また無人店舗には、大きくウォークスルー型とセルフレジ型の2種類が存在。それぞれ、以下のような特徴があります。
2つの種類の特徴 ・ウォークスルー型:商品を持ったまま出口へ向かうとタッチパネルに金額が表示され、出口で支払いをする仕組み ・セルフレジ型:客が自身で商品のバーコードを読み取り、レジの指示に従い支払いを済ませる仕組み |
たとえば先程の見出しで紹介した「TOUCH TO GO」はウォークスルー型、「モノタロウAIストア」はどちらかと言えばセルフレジ型に分類されます。
無人店舗の利用の流れ
<無人店舗(ウォークスルー型):入店から退店までの流れ>
- 入店エリアに立ち、ゲートをくぐる
- 商品を選ぶ
- 出口付近の決済エリアに立ち、購入内容をタッチパネルで確認する
- 画面の指示に従って支払いを済ませる
ウォークスルー型の無人店舗を利用する流れは、上記のようになります。
またセルフレジ型の場合は、一般的なスーパーマーケットやコンビニのレジが無人になった店舗と考えるとわかりやすいでしょう。
無人店舗では来店客に伝わりやすい販促が必要
無人店舗には人手不足の解消や感染防止などのメリットがありますが、リアルタイムでの接客ができないとのデメリットも存在します。
無人店舗は接客スタッフがいないため、来店客が商品についての質問をすることができません。
そのため、販促物などの説明資料を充実させ、来店客が疑問を解決できるような対策が大変重要となります。
なお、無人店舗での販促については以下の記事で詳しく解説しています。
無人店舗におすすめのツールや販促のポイントについても紹介していますので、ぜひご一読ください。
>>無人店舗の販促におすすめのツール全紹介!成功させる3つのポイントも解説
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キャッシュレス決済を導入して消費者のニーズを取り入れた無人店舗をつくろう
この記事では、無人店舗でのキャッシュレス決済について紹介しました。
無人店舗にはレジスタッフが不在のため、防犯上の理由などからキャッシュレス決済が主に導入されています。
現在は電子マネーやクレジットカードが中心となっていますが、これからQR決済や顔認証決済の導入が推進されていくでしょう。
ただ無人店舗の精算方法はキャッシュレス決済で便利になるものの、直接的な接客ができない分、消費者に伝わりやすい販促が重要です。
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