多大なコストと労力をかけて出展した展示会。「思うように人が集まらない」「名刺は集まるが商談に繋がらない」「費用対効果が見合わない…」そんな悩みを抱えていませんか?その原因は、準備の段階で押さえるべきポイントがズレていたり、獲得した名刺をその後の商談に活かしきれていないことにあるのかもしれません。
この記事では、展示会を成功に導くための「5つのステップ」を、準備からアフターフォローまでの流れに沿って詳しく解説。次の展示会をより実りあるものにするための、具体的なヒントをご紹介します。
なお、展示会の出展には実績やノウハウが豊富なプロに相談するのもおすすめです。プロの視点による効果的なアドバイスを受けることが可能です。
Contents
展示会を成功させる5つのステップ
展示会での成果を最大化するためには、以下の5つのステップを意識して取り組むことが重要です。これらのステップをしっかりと実行することで、見込み客の獲得から商談、そして顧客化まで、一連の流れをスムーズに進めることができます。
1. 目的・目標の設定: 展示会で何を達成したいのか、具体的な目標を定める。
2. 人員配置: 目的達成のために最適な人員を選定し、役割分担をおこなう。
3. 事前集客: 展示会前から見込み客にアプローチし、来場を促す。
4. 会期中の動き: ブースでの効果的なアプローチ方法やデモンストレーションを実施する。
5. アフターフォロー: 展示会後のフォローアップを徹底し、商談につなげる。
これから、これらのステップを1つずつ詳しく見ていきましょう。
Step1. 目的・目標の設定
展示会に出展する目的や目標を明確にすることは、成功への第一歩です。目的が曖昧なままでは、何をすべきか分からず、結果的に期待した成果を得ることが難しくなります。まずは、「なぜ展示会に出展するのか?」を自問自答し、具体的な目的を洗い出すことから始めましょう。
例えば、以下のような目的が考えられます。
・新規顧客の獲得: まだ自社の製品やサービスを知らない潜在顧客にアプローチする。
・既存顧客との関係強化: 既存顧客とのコミュニケーションを深め、ロイヤリティを高める。
・ブランド認知度の向上: 自社のブランドを広くアピールし、市場における存在感を高める。
・新製品・サービスの発表: 新しい製品やサービスを顧客に紹介し、市場の反応を測る。
・競合調査: 競合他社の動向を把握し、自社の戦略に役立てる。
・リード(見込み客)獲得数: 具体的なリード獲得数を設定し、KPIとして管理する。
目的を明確にした上で、具体的な目標を設定しましょう。目標は、数値化できることが重要です。例えば、「新規顧客を300人獲得する」、「リードを500件獲得する」、「商談につながる見込み客を100人獲得する」など、具体的な数値を設定することで、成果を評価しやすくなります。さらに、目標達成のために必要な予算やリソースを明確にすることも大切です。
目標設定の具体例とKPI
目標設定をより具体的にするために、KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)を設定しましょう。KPIとは、目標達成度を測るための指標のことです。
・リード獲得数: 展示会で獲得した名刺やアンケートの数。
・商談数: 展示会後に設定された商談の数。
・成約数: 展示会がきっかけで成約に至った件数。
・Webサイトへのアクセス数: 展示会期間中およびその後のWebサイトへのアクセス数。
・ソーシャルメディアでの言及数: 展示会に関するソーシャルメディアでの投稿数やシェア数。
これらのKPIを定期的に測定し、目標達成度を評価することで、展示会の効果を客観的に把握することができます。目標とKPIを設定したら、それをチーム全体で共有し、共通認識を持つことが重要です。チーム全員が同じ目標に向かって取り組むことで、より高い成果を期待できます。
Step2. 人員配置:適材適所で最大限のパフォーマンスを
展示会での成功には、適切な人員配置が大切です。ただ人を集めれば良いというわけではなく、それぞれの役割に適したスキルや経験を持つ人材を配置することが重要です。人員配置を最適化することで、来場者への対応力が高まり、商談の機会を最大限に活かすことができます。
展示会で必要な役割は、大きく分けて以下の3つです。
・ブース責任者: ブース全体の管理・運営、目標達成に向けた指示出しをおこなう。
・営業担当: 来場者への製品・サービスの説明、商談の実施、リードの獲得をおこなう。
・サポート担当: 資料の配布、デモンストレーションのサポート、アンケートの回収など、営業担当のサポートをおこなう。
ブース責任者は、リーダーシップを発揮し、チームをまとめて目標達成に導くことが求められます。営業担当は、製品知識が豊富で、コミュニケーション能力が高く、来場者のニーズを的確に把握できる人材が適しています。サポート担当は、明るく丁寧な対応ができ、臨機応変に動ける人材が望ましいでしょう。
人材配置のポイントとチームワーク
人員配置を決める際には、各担当者のスキルや経験だけでなく、性格や得意分野も考慮しましょう。例えば、初対面の人と話すのが得意な人は営業担当に、細かい作業が得意な人はサポート担当に配置するなど、適材適所の人員配置を心がけましょう。また、展示会期間中は、長時間立ちっぱなしになるなど、体力的に厳しい場面も多くあります。そのため、人員配置には余裕を持たせ、交代で休憩を取れるようにするなど、担当者の負担を軽減することも大切です。
チームワークも重要です。各担当者が互いに協力し、連携することで、よりスムーズな対応が可能になります。事前に役割分担を明確にし、情報共有を密におこなうことで、チーム全体のパフォーマンスを向上させることができます。例えば、ある企業では、展示会前にチーム全員で目標設定や役割分担を行い、定期的に進捗状況を確認するミーティングを実施しました。その結果、チーム全体のモチベーションが高まり、目標達成に向けて一致団結して取り組むことができました。展示会終了後には、反省会を開き、良かった点や改善点を洗い出すことで、次回の展示会に活かすことができます。
Step3. 事前集客:来場者を増やすための戦略
展示会での成功は、どれだけ多くの来場者をブースに呼び込めるかにかかっています。ただ待っているだけでは、十分な成果は得られません。展示会前から積極的に集客活動をおこない、来場者を増やすための戦略を立てることが重要です。事前集客を成功させることで、展示会当日のブースの賑わいを演出し、商談の機会を増やすことができます。
事前集客の方法は、多岐にわたります。以下に代表的な例を挙げます。
・Webサイトやブログでの告知: 展示会出展情報を掲載し、来場を促す。
・メールマガジンでの告知: 既存顧客や見込み客に、展示会情報を配信する。
・ソーシャルメディアでの告知: X(旧Twitter)、Facebookなどで、展示会情報を発信する。
・招待状の送付: 既存顧客や見込み客に、招待状を送付する。
・プレスリリースの配信: メディアに展示会情報を配信し、記事掲載を促す。
・業界団体との連携: 業界団体と連携し、展示会への集客を支援してもらう。
事前集客の具体的な戦術と効果測定
事前集客をおこなう際には、ターゲット層を明確にし、ターゲットに合わせたメッセージを発信することが重要です。例えば、既存顧客には、新製品やサービスの紹介、特別な招待などをアピールし、新規顧客には、自社の強みや展示会の見どころなどをアピールすると効果的です。また、事前集客の効果を測定するために、Webサイトへのアクセス数、招待状の開封率、ソーシャルメディアでのエンゲージメント数などを計測し、効果の高い集客方法を見つけ出すことが大切です。
具体的な戦術としては、例えば、展示会開催前に、Webサイトで「来場者限定特典」を告知し、来場を促すという方法があります。また、ソーシャルメディアで、展示会の準備風景やブースのデザインなどを公開し、期待感を高めるという方法も効果的です。
事前集客は、展示会を成功させるための重要な要素の1つです。しっかりと戦略を立て、効果的な集客活動をおこなうことで、多くの来場者をブースに呼び込み、商談の機会を増やすことができます。
Step4. 会期中の動き:来場者を魅了し、商談につなげる
展示会期間中は、ブースでの対応が重要になります。限られた時間のなかで、来場者を魅了し、商談につなげるためには、効果的なアプローチ方法やデモンストレーションの実施、そして積極的なコミュニケーションが大切です。
会期中の動きで重要なポイントは以下の通りです。
・積極的な声かけ: 来場者に積極的に声をかけ、ブースに立ち寄ってもらう。
・魅力的なデモンストレーション: 製品やサービスの魅力を最大限に伝えるデモンストレーションを実施する。
・分かりやすい説明: 製品やサービスの特徴やメリットを、分かりやすく説明する。
・丁寧な対応: 来場者の質問や疑問に、丁寧に答える。
・リードの獲得: 名刺交換やアンケートの実施などを通して、リードを獲得する。
・商談の実施: 関心のある来場者には、積極的に商談を提案する。
・ブースの活性化: ブースを常に賑やかに保ち、活気を演出する。
効果的なブース運営とアプローチ
ブースのデザインも、来場者の目を引く重要な要素です。清潔感があり、明るく、製品やサービスが分かりやすく展示されているブースは、来場者の興味を引きつけやすくなります。また、ブースのスタッフは、常に笑顔で、積極的に来場者に声をかけることが大切です。来場者のニーズを的確に把握し、適切な情報を提供することで、商談につながる可能性を高めることができます。
アプローチ方法としては、例えば、来場者に「何かお困りですか?」、「どのような製品にご興味がありますか?」などと声をかけることから始めるのが効果的です。来場者のニーズを把握したら、製品やサービスの特徴やメリットを分かりやすく説明し、デモンストレーションを実施することで、より深く理解してもらうことができます。また、展示会期間中は、競合他社のブースも視察し、自社の強みや弱みを把握することも重要です。競合他社の優れた点を参考に、自社のブース運営に活かすことで、より効果的な展示会にすることができます。
Step5. アフターフォロー:商談機会を最大化する
展示会後のアフターフォローは、獲得したリードを商談につなげ、最終的に顧客化するための重要なステップです。迅速かつ丁寧なフォローアップをおこなうことで、顧客との関係を構築し、ビジネスチャンスを最大化することができます。
アフターフォローで重要なポイントは以下の通りです。
・迅速な対応: 展示会後、できるだけ早くフォローアップをおこなう。
・丁寧なメール: 展示会でのブース訪問についてのお礼の連絡を送る。
・情報提供: 製品やサービスに関する詳細な情報を提供する。
・ニーズの確認: 顧客のニーズをあらためて確認する。
・商談の提案: 具体的な商談を提案する。
・継続的なフォロー: 定期的に情報提供を行い、関係を維持する。
効果的なフォローアップ戦略と顧客育成
アフターフォローの方法は、メール、電話、訪問など、さまざまな方法がありますが、顧客のニーズや状況に合わせて最適な方法を選択することが重要です。例えば、展示会で具体的な商談の話をした顧客には、すぐに電話でフォローアップをおこない、詳細な打ち合わせを提案するのが効果的です。一方、まだ情報収集段階の顧客には、メールで製品やサービスに関する詳細な情報を提供し、関心を高めるのが効果的です。
フォローアップの際には、顧客のニーズを的確に把握し、顧客にとって有益な情報を提供することが重要です。例えば、顧客が抱える課題を解決できる製品やサービスを提案したり、顧客のビジネスに役立つ情報を提供したりすることで、顧客との信頼関係を構築することができます。また、展示会後のフォローアップだけでなく、継続的に情報提供をおこない、顧客との関係を維持することも大切です。メールマガジンを配信したり、セミナーやイベントに招待したりすることで、顧客との接点を増やし、ロイヤリティを高めることができます。
まとめ:戦略的な展示会活用で成果を最大化しよう
展示会は、企業にとって貴重なマーケティングの機会です。本記事でご紹介した5つのステップを参考に、展示会を最大限に活用し、ビジネスの成長につなげていただければ幸いです。展示会の準備は大変ですが、戦略的な準備と実行、そして丁寧なフォローアップをおこなうことで、成果を上げることができます。積極的に展示会を活用し、競争力を高めていきましょう。
なお、展示会の出展には実績やノウハウが豊富なプロに相談するのもおすすめです。プロの視点による効果的なアドバイスを受けることが可能です。
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