ノベルティ製作では、欠損や安全性をチェックし、利用者の安全を担保する必要があります。特に海外で製造する場合は、依頼主が直に検品できないため、事前に工程を把握しておくことが大切です。
本記事では、ノベルティの製作工程や検品のポイントを紹介します。ノベルティ製作の依頼を検討している方は、ぜひご一読ください。
Contents
ノベルティ製作の3つのパターン
パターン | 条件例 |
---|---|
国内に在庫している既製品に名入れする | ・総額を抑えて製作する ・納期がタイト |
国内で製作する | ・1,000個以下の生産 ・PVC(塩化ビニール)などの加工品 ・納期がタイト |
海外で製作する | ・1個あたりの単価を抑えて作製する ・5,000~1万個以上の生産 ・型を起こさなければいけない成型品 ・納期に余裕がある(輸送の時間がかかるため) |
ノベルティの製作工程は、上記の3パターンがあります。なお、記載の個数は成果物によって変わるため、あくまで参考値としてのご紹介です。
では、それぞれ解説します。
パターン1.国内に在庫している既製品に名入れする
1つ目は、国内に在庫している既製品に名入れする方法です。既存の商品にロゴや社名などを印刷するだけで、簡単にオリジナル商品が作れます。
商品のデザインや作業工程を省略できるため、総額が安価です。
- 小ロットでつくりたいとき
- 納期に余裕がないとき
上記のケースでも、製作ができます。
一方、既製品を使用するため、名入れできる範囲や製品の素材・形状などが制限されてしまいます。また在庫がない場合、次の在庫確保まで待つ必要があるため、スケジュールにあうか確認しておきましょう。
パターン2.フルオリジナルを国内で製作する
フルオリジナルは、主にデザイン・素材を自由にアレンジして、独自のノベルティを作ります。オリジナリティを高められるので、競合との差別化に効果的です。
国内で製作する場合は、海外ほど輸送に時間がかからず、納期が比較的タイトでも対応しやすいケースがあります。ただ費用が割高なので、発注の個数が1,000個以下の場合におすすめです。
パターン3.フルオリジナルを海外で製作する
海外工場で印刷すると人件費を抑えられるため、低コストで製作ができます。そのため、下記のケースは海外での生産が向いています。
- 数量が1万個以上
- 型を起こす必要がある成形品
- 納期に余裕ある
一方で、検品を必ずおこなわなければなりません。納期・品質でのトラブルを減らすため、徹底した品質管理が重要です。
ノベルティ製作の納品期間の目安
パターン | 目安期間 |
---|---|
国内に在庫している既製品に名入れする | 校了後約2週間~3週間 |
フルオリジナルを国内で製作する | 校了後約3週間~2ヵ月 |
フルオリジナルを海外で製作する | 校了後約2ヵ月~3ヵ月 |
ノベルティ製作の納品期間の目安は上記のとおりです。基本的に、国内で生産する場合より、海外で生産する場合のほうが時間を要します。
また海外生産の場合は、航空便や船便などの輸送手段も納期に影響します。納期は、製作するものによって変動するため、製作会社へ相談しましょう。
国内に在庫している既製品に名入れする場合の製作工程
ここで、国内に在庫がある既製品に名入れする場合におこなう、以下8つの工程を解説します。
1.アイテムを選ぶ 2.デザインを決める 3.数量を決める 4.入稿する 5.校正サンプル確認し、校了する 6.量産する 7.検品する 8.納品する |
まず、アイテムを選び、印刷するデザインを決めていきます。一般的に、アイテムごとに印刷できる範囲があらかじめ決まっています。
指定された印刷の範囲内であれば、自社でデザイン作成することも可能です。なお、自社でデザイン作成した場合は、デザインのデータ入稿をおこないます。
イメージどおりに印刷するには、校正サンプルの確認が重要です。
フルオリジナルのノベルティを製作する場合の製作工程
ここで「名入れのみ」のノベルティ製作を例に、国内・海外で製作する場合の工程を解説します。では、1つずつ見ていきましょう。
国内で製作する場合
1.アイテムを選ぶ 2.仕様を決める(形・サイズ・生地・加工方法など) 3.デザイン・印刷方法を決める 4.数量を決める 5.入稿する 6.校正サンプル確認し、校了する 7.量産する 8.検品する 9.納品する |
まず、どのようなアイテムを製作するのか選び、形やサイズなどを自由に決めていきます。基本的には、生地・パーツなどのサンプルが用意されています。
サンプルを見てもイメージがわかなければ、どのようなノベルティにしたいのか製作会社へ相談してみることがおすすめです。また、欠品に備えて予備も含め数量を設定しておくことも重要です。
国内生産であっても欠品は発生するものと考えて、製作を進めましょう。
海外で製作する場合
1.アイテムを選ぶ 2.仕様を決める(形・サイズ・生地・加工方法など) 3.デザイン・印刷方法を決める 4.数量を決める(本文で予備の件について補足) 5.入稿する 6.校正サンプル確認し、校了する 7.量産・納品する 8.検品する 9.検品・出荷する 10.通関・国内出荷 11.納品 |
海外で製作するときの基本的な流れは、国内で製造するときと同じです。注意が必要なのは、納期に時間を要することです。
海外で製作する場合は、輸送が必要です。欠品による追加発注が発生すると、輸送が間に合わずスケジュールに間に合わないことも考えられます。
欠品の対策として、予備用に多めに数量を決めておくことがおすすめです。また、欠品のようなトラブルを防止するため出荷前に検品を必ずおこないます。
輸入を申告後、必要な検査を受け税関の輸入許可書を取得したら、ノベルティを国内で引き取り完了です。
ノベルティ検品の4つのポイント
ノベルティ製作において知っておくべき、重要な前提があります。表現に賛否があるかもしれませんが「完成品はすべて良品ではない」と考えておくことです。
ノベルティは、最低限の品質を保持できなければ、消費者から信頼を損なう恐れがあります。イメージダウンを避けるために、生産地や既製品・成形品にかかわらず、検品は必須です。
ここで、検品における4つのポイントを解説していきます。
1.検品を誰がどこでおこなうか決める 2.良品・不良品の基準を明確にする 3.検品する量を決める 4.完成前にサンプル検品をおこなう |
それぞれ解説します。
ポイント1.検品を誰がどこでおこなうか決める
まず、検品作業を誰がどこでおこなうかを決めます。安定した品質で製作するには、信頼できるスタッフ・業者へ依頼することが重要だからです。
海外の工場では、現地スタッフへ依頼するか、国内のスタッフを派遣することが一般的です。
状況によって、検品を専門家へ依頼し検品をおこなうケースもあります。第三者の専門機関に依頼することで、納品後の事故やクレームを未然に防ぐことできます。
ポイント2.良品・不良品の基準を明確にする
量産時における製品は、1つずつの仕上がりに微妙な誤差が発生します。製作(校了)前に生産工場と話し合い、不良品と判断する判断基準を具体的に決めておくことが重要です。
よくあるのは、依頼主が想定していた色と仕上がりの色が異なるケースです。完成してから修正依頼をしても、簡単に通らないこともあります。
前述のとおり不良品は発生すると前提し、具体的に許容値を決めておきましょう。
ポイント3.検品する量を決める
対象とする検品の量と範囲を決めておくこともポイントです。とくに、品質に個体差が出やすい海外製品は、すべてを検品するのか一部だけを検品するのか明確にしておく必要があります。
海外に限らず国内でも、検品対象の割合を決め、抜き取りで検品をおこなうケースがあると考えておきましょう。
ポイント4.完成前にサンプル検品をおこなう
完成前のサンプル品も検品することで、トラブルを防げます。検品のタイミングとして、以下の2パターンがあります。
- でき上がったサンプルを検品
- 工程ごとに確実に完了しているかを検品
ノベルティが完成したあとに問題が見つかると、修正に時間が必要です。場合によっては、修正を受け入れてもらえないケースもめずらしくありません。
失敗を防ぐためにも、各工程ごとにこまめな検品が重要です。
品質の安定したノベルティを製作しよう
ノベルティ製作は、何をつくるかによって必要な工程が変わります。製造工程を理解しないまま製作を進めてしまうと、イメージとは違うノベルティが完成しする恐れがあります。
ノベルティを発注する際は、製造工程と検品を必ずおこなうことと考え、企画を進めましょう。
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